空腹のほうが、「頭がさえる」といわれますが、なぜでしょうか?

人類は、長い歴史の中で何回も長い大飢餓を生き抜いてきました。飢餓の状況では、頭をフル回転させて食べ物を探し、生きる方法を見つけていかなければなりません。

空腹になると胃でグレリンという物質が作られます。グレリンは、何か食べ物を探して食べろ、という摂食行動を起こさせる働きを持っています。

グレリンは、知覚神経を刺激することがわかっています。絶食時に胃で作られたグレリンは、胃の知覚神経を刺激して、全身でIGF‐1をふやす可能性があるのです。

研究で、グレリンを動物に投与すると、脳の記憶の中枢である海馬を含む全身でIGF‐1が増加し、動物の学習能力が向上することが判明しました。胃のグレリンの増加がIGF‐1をふやして学習能力を高め、食べ物をどこで、どのように手に入れるかということまで考えさせるのでしょう。もちろん育毛効果も期待できます。

空腹時間が長くなるほど、グレリンはふえ続け、IGF‐1の増加も長く続きます。

小食にすれば、食べ物を消化する時間は短くなり、そのぶんその後の空腹時間は長くなります。昔から「小食に病なし」といいますが、IGF‐1が増加すれば、健康効果に加え育毛も期待でき、「小食に薄毛なし」ともいえるでしょう。たとえば1日2食にすれば、自ずと空腹時間が長くなるからです。

たとえば、朝に腹持ちのよいものを食べ、昼食を抜く方法が実行しやすいのではないでしょうか。

腹持ちのよい食材とは、胃腸の知覚神経を刺激するものです。胃腸の知覚神経を刺激するものを食べれば、体は悪いものを食べたと勘違いし、それ以上食べないように満腹感を高めます。したがって、朝食に玄米やトウガラシと豆腐入りの八丁味噌仕立ての味噌汁、ポリフェノールが豊富なコーヒーなどをとれば、昼食時になっても、満腹感は続きやすくなります。

逆に、腹持ちの悪い食材も存在します。後述しますが、ブドウ糖は、知覚神経機能を低下させます。白米のごはんは、胃腸で消化されると、小腸でブドウ糖に変化します。その結果、小腸の知覚神経機能を低下させるので、白米のごはんは、満腹感がなかなか得られず、腹持ちの悪い食べ物なのです。

腹持ちの悪い食品は、食品の持つグリセミックインデックス(GTI)でわかります。

グリセミックインデックスとは、食品を食べたあとの血糖値の上がり方の指標です。GIの数値が高いほど、より多くのブドウ糖ができることを意味しており、胃腸の知覚神経機能を低下させます。ですから、高GI値食品は低GI値食品にくらべて、満腹感が得られにくく、より多食する危険性もあります。

腹持ちが悪く、多食しがちな高GTI値食品には、白いパン、白米、じゃがいもなどがあります。逆に、満腹感を得やすく、腹持ちがよい低GI値の食品は玄米、そば粉、大尽ヨーグルト、ピーナッツ、さつまいもなどです。空腹時間を長くとるためには、高GTI食品よりも、低GTI食品を食べるほうがよいでしょう。

また、IGF‐1をふやす食品は、そうでない食品にくらべて、GI値は低くなっています。空腹時間を長くするための腹持ちのよい低GI食品は、結局IGF‐1をふやし、健康と育毛の両方によい食品なのです。