優れた発毛効果があるIGF‐1は、発毛効果だけではなく海馬の神経細胞を再生させ、認知機能を改善します。よく噛むことのボケ防止効果は、やはりIGF‐1の効果である可能性が高いようです。

よく噛んで唾液をふやせば、育毛効果が期待できる可能性もあります。日常生活の中で、どのようにすれば、唾液の分泌をふやせるでしょうか?

唾液の分泌量は、1日約1.5リットルです。睡眠中は0.1ml/分、起きているときは0.3ml/分、そして食事中は、その10倍以上の4.0ml/分の唾液が分
泌されます。特に、歯ごたえのあるもの、酸っぱいもの、さらに辛いものを食べたときに、唾液の分泌は増加します。

味のあるガムを噛んでいるときは、噛んでいないときとくらべると、唾液量は20倍増加し、味のないガムでも8倍増加するといわれています。10分以上ガムを噛んでいても、噛んでいないときの2~3倍ほど唾液の分泌は増加します。

唾液の分泌をふやすためには、噛む回数を、一口30回にする、食間にガムを噛む、梅干しや酢を使った料理を食べる、調理の際に食材を少し大きめに切る、加熱時間を長めにして、食材の水分を減らす、複数の素材を組み合わせて噛む回数をふやす、薄味にすることで味を感じるまでの噛む回数をふやす、などの工夫があります。

唾液を多く出す食べ方では、唾液により胃の知覚神経が刺激されるために、満腹感も早く出てきますので、食べる量も減ります。逆に、早食いは、唾液を十分出さないばかりか、満腹感が出にくいために、食べる量が、よく噛んだ場合とくらべてふえてしまいます。

このため、早食いは、肥満につながります。肥満は、血糖値を下げる働きがあるインスリンが効きにくくなる、インスリン抵抗性という病態を引き起こします。この病態では、インスリンが効かない分、IGF‐1が消費され、無駄遣いされます。事実、会食などで注意してみると、早食いの人が一番太っていることに気がつきます。

よく噛めば発毛が期待できるばかりではなく、その他にもいろいろなメリットがあることが分かったのではないでしょうか。